『殺意』

 

 それは、どんな時、どのように芽生えるのでしょう?

ふと我を忘れた時?

自制を失いたくなるほどの怒りに駈られた時?

何らかの理由の下に殺害に踏み切らなくてはならなくなった・・・。

普段の自分から異なる自分に変貌する時・・・或いは、

普段の自分を繋ぎ止めるものが無くなった時、貴方は、殺人者へと変わる・・・。

その“貴方”を身を持って具現化してくれた三人の経緯とその行末をお話しましょう・・・。

 

-少年−

「・・・殺すつもりじゃなかったんだ・・・。

ただ・・・仕返ししたかっただけなんだ・・・。

いつも僕の事を馬鹿にして・・・だから・・・。」

少年は、うわ言のように呟きながら立ち尽くしていた。

目の前にある二つの屍を前にして・・・。

一つは、およそ50cm四方の瓦礫に頭を潰され、

もう一つは、巨大な瓦礫の下から僅かに手が覗くのみである。

誰が見ても、もはや生きてはいないと容易に断定できる屍は、少年の同級生だった。

おとなしい彼を面白がってからかっていた二人だった。

ここは、破棄された工場跡。

まだ、取り壊しの目途も立っていないまま放置されている。

少年は、時々、ここに忍び込んで一人静かな時間を過ごす事があった。

が、ある日、あの二人がここを見つけ、入ってきたのを見つけた。

−・・・ここは、僕の場所だ。アイツらなんか・・・−

そして、彼は、思い付いた計画を実行に移した・・・。

それが、この結果だ。

老朽の激しい一室に二人を閉じ込め、予め細工してあった骨組みの一角を外す。

これで、部屋が大きく傾いで怖い思いをする筈・・・。

が、その予想は、余りに浅計であり、その後悔の念は、

今も少年をその場に踏み留めている。

「う、うう・・・。」

・・・!!?

少年は、ビクリと肩を震わせ、呻き声に辺りを見回した。

巨大な瓦礫の下の手が力なく動いている。

急に、全身に悪寒が走り、額には脂汗が噴き出してくる。

−まだ、生きてる・・・。生きてるの?−

轟音を立てて崩れた部屋を前にして、二人の死を間近にして、

現実逃避していた少年の心は、半ば、無理矢理現実に引き戻された。

そこへ、とてつもない恐怖が彼の心を覆う。

様々な思案が、頭を交錯する。

・・・だが、少年の精神は、既に崩壊しつつあった。

「・・・もう、駄目だ。

・・・駄目なんだよ。僕は、人を殺してしまったんだ。・・・ヒトゴロシなんだ!

お前にも生きていてもらっちゃ困るんだよ!」

少年は、まだ生きている同級生が下敷きになっている瓦礫の上に飛び乗った。

そして、手近な瓦礫を次々に岩の上に乗せた。

これだけの大きさの瓦礫の下敷きだというのに彼が、

生きているのは隙間があるからだ。

さらに負荷を加えてその隙間が崩れるように必死で瓦礫を集めた。

その形相は、追いつめられた者の凄まじい狂気の光を帯びていた・・・。

 

その数刻前・・・。

 

−黒服の男−

 男は、やや、息を切らしながらも、しっかりした足取りで林の中を歩いていた・・・。

走りたい衝動を抑え、早足になっているようだ。

左手には、中くらいの旅行カバン。

右手には、刃渡り10cm強のナイフが握られている。

そのナイフが、鮮血に染まっている事は、言うまでもないだろうか。

男は、たった今、殺人を犯し、現場を立ち去ろうとしている所だ。

その表情は、険しく、ありとあらゆる者を憎々し気に見下しているかのようだ。

それもそのはず、数時間前まで、仲間だったはずの者を手に掛けたのだから。

−クソッタレが!・・・俺を出し抜こうなんざ、百年早え!

・・・ま、おかげで、分け前って概念がなくなったがな。

そう、俺は、単独犯になった。ともかく、そう何キロも離れてねえ現場だ。

奴の埋めた場所を掘り返されないとも限らねえ。アソコももう駄目だな。−

男は、しばし立ち止まり、相当離れたはずの現場の方を見据えていたが、

踵を返し、林の外を目指して歩き出した。

ナイフや、上着についた返り血は、きれいに拭き取り、ビニール袋に包むとカバンの脇へ押し込んだ・・・。

 それから、まもなく車が通れるだけの広さがある山道へ出た。

男は、迷わず上りの方向へ歩を向けた。

もう、目と鼻の先に廃屋と化した工場跡が見える。

彼が、ネグラとして身を置いている場所だ。

県道からの入口は、固く門が閉ざされ、門の上は鉄条網で囲ってある。

ここなら、人が立ち入る事もあるまい。それが、彼の選んだ理由だった。

県内の郵便局、信金数店舗から、巨額の金を強奪した自分達強盗グループが、

その近郊に身を隠しているとは思わないだろう。

男は、次の逃亡先を算段していた。

もっと目先の話なら、風呂に浸かって一杯やりたい所だが、そんな悠長な事を言ってはいられない。

男が、廃屋となった工場の門をくぐり、裏手へ回った時だ。

表側だろうか、中で轟音が響いた。内部の一角が崩れたようだ。

建物全体に、余震が伝わるが、全壊する事はなさそうだ。

もう一度、同じ事があれば、その限りではないだろう。

男は、用心深く辺りを見回しながら、原因を突き止めるべく

内部へ足を踏み入れた・・・。

 

−少年と黒服の男−

「・・・お前、人を殺したな?」

少年は、突然姿を現した男に腰を抜かした。

彼が、部屋を出た直後、廊下には、痩身で黒いレザースーツに

身を包んだ男が、立っていたのだ。

「ククク。そんなに驚くなよ。ここは、お前さんの隠れ家だろ?

そして、俺にとっても恰好の隠れ家だったのさ。

いわば、俺は、共有者。

少なくとも、俺の方が、長いはずだぜ。」

窓から洩れる月明かりに、反射して不気味な光を帯びた目、

不敵に口元を歪め、少年を見据えた。

少年は、震える自分の足と飄々とした男に交互に視線を向けた。

憎々しげに・・・。

震えは止まらないし、腰が抜けたまま立ち上がる事も出来ない。

まるで、砂漠にでもいるかのように喉がカラカラで、声が出ない。

−・・・これが、本当の恐怖なんだ。−

少年は、心の中で打ちのめされた自分を見た。

「安心しな。お前さんを殺そうなんて気はねえさ。

なんてったって同じマンションの居住者みたいなモンだからな。

・・・知らなかったよな。俺が、ここをネグラにしてるなんて・・・。」

−コイツ、一体、何者なんだ?−

「そうだ。最初に言った事、覚えてるよな。

・・・実は、俺もそうなんだよ。

俺もヒトゴロシさ。

ヘヘヘ、そんな目で見るなよ。

俺とお前は、同じ穴のムジナ。つまり仲間なんだよ。

俺も、お前も、もう後戻りは出来ねえ。

俺は、もう三人も殺っちまった。しかも、一人は、仲間だったヤツをよ。

お前もそうだ。殺したのは、クラスメートかなんかだろ?

・・・見ていたさ。分かるよな?」

−やっぱり・・・。僕は殺される。・・・アイツらを殺した罰なんだ。−

逃げなければ・・・思いは逸れど鼓動は荒く、

足も筋肉が緊張していたため、走って逃げる事など出来はしない。

なんとか喋る事は出来そうだ。

「・・・僕を殺すつもりはないって本当?」

「お、ようやく、口を開いてくれたな。

勿論だぜ。俺は、お前さんを見込んでるんだ。

あの状況で、踏み切れた心意気に感動したね。

しかも、中学生だろ、お前?

見上げた根性だね。気に入ったよ。

俺が、お前を殺さない理由、分かったろ?」

男は、満足げに頷いた。

少年は、退路が気になりつつ大きく頷いた。

−・・・僕は、もう、ヒトゴロシだ。そして、コイツも・・・。

しかも、本当に何とも思っちゃいない筋金入りの悪党だ。

でも、僕は・・・。−

「そういや、お前、名前なんてんだ?」

「・・・タカヒロ。」

「んん?」

「ヤスダタカヒロ。」

「そうか、タカヒロか。よろしくな。」

「あ・・・うん。」

−ようやく足の震えも収まってきたし、立ち上がれそうだ。

・・・なんとか、スキを見て逃げなきゃ・・・コイツ、嘘をついてるに決まってる。

僕を油断させて・・・。ちくしょう!死んでたまるか!−

少年は、後ろのポケットのドライバーを確かめた。

同級生を驚かすために、部屋が崩れるよう細工した時に使ったものだ。

今、男は、丸腰のようだ。

いや、ひょっとしたら銃を持っているかもしれない。

だが、不意をついてけしかければ武器にもなる。

逃げ切るには、彼に何らかの支障をもたらさなければ、

体力的な不利を補えない。なんとか、隙を見つけなければ・・・。

少年は、覚悟を決めてゆっくりと立ち上がった・・・。

「いよう、もう落ち着いたか?」

「あ、うん。あの・・・オジサンの名前は?」

「オイオイ。俺にオジサンはないだろう。

こう見えても俺は、まだ30にもなってないんだぜ。

・・・そうだな、俺の呼び名・・・。よし、TWISTEDだ。」

「・・・トゥイステッド?」

少年は、鸚鵡返しに尋ねた?

すると、男は、自慢げに口を開いた。

どうも、この男は、自尊心に確執しているある種の精神異常者なのだろう。

でなければ、仲間だった者をそうやすやすと殺せるものではないだろう。

「ああ。学校で習わなかったか?歪んでるって意味さ。

・・・我ながらナイスアイデアだな。よし、俺は、Mr.Twistedだ。」

−勝手に喚いていればいいさ。僕は、何があってもここから、

お前の目の届かない所へ逃げるんだ。−

「Mr.Twistedか。カッコイイな。でも、ちょっと、呼びにくいよ。」

「お、タカヒロもいいと思うか?でも、呼びにくいのは確かだな。

ま、考えとくから、今は、なんでもいいや。好きなように呼んでくれ。」

「うん。・・・それで、僕・・・。」

「ああ。分かってるぜ。お前ももう後戻りは出来ない。

だから、当面、俺が、面倒みてやるぜ。

・・・俺もそろそろここをオサラバしようと思ってたんだ。

タカヒロ、お前も来い。」

「・・・来いって、何処へ?」

「そんなのまだ、分からねえさ。サツに見つからない場所、捕まらない場所・・・だな。」

僕は、何となく相槌を打ってみせた。

−・・・コイツ、ここが足がつきそうだから、他へ逃亡するつもりだ。

僕は、こんな奴と行動を共にするなんてまっぴらだ。

愛想よく従順なフリをして、隙を作らせなきゃ・・・。−

「・・・そうだね。僕ももうアイツら殺しちゃったんだ。

だから、逃げなきゃ・・・捕まりたくないよ・・・僕を助けてくれる?」

「当たり前だ。俺は、約束は守るぜ。」

「ありがとう。」

「へへ。礼なんてよせよ。照れるぜ。さ、俺の荷物を取ったら行くぜ。」

−・・・?何だか、コイツ。僕の芝居を真に受けしてるみたいだ。

でも、仲間を殺したのが本当なら、コイツは、ニュースでやってた強盗犯。

僕がいたら邪魔なはず・・・せいぜい、逃走のため人質くらいにしか考えてないんだ。

だったら、一刻も早く、手を打たなきゃ・・・。−

少年は、黒服の男に促され、後について崩れ落ちた部屋の前を去った。

 

−警察官−

 この閑散とした村に赴任した来たのは、およそ半年前だ。

彼は、東京に近接した県のとある交番に配属されたのだが、

上司に急に転任を言い渡された。

これは、二年ばかりの期間限定で、おそらく凱旋時には、

昇進が待っている。

そう信じて彼は、配属を快諾した。

最初は、こんな田舎に・・・と思っていたが、村の雰囲気、

住人に馴染んでくると、勤務が楽しくやり甲斐を持てるようになった。

報道では、あちこちで、凄惨な事件が起き、現地の警察は、

眉間に皺が寄りっぱなしのようだが、ここは、至って平和。

むしろ、大雨での土砂崩れや洪水の見回りの方が、気を遣うくらいだ。

二ヶ月前に資材を運ぶ大型車が、路肩で立ち往生したのが最近の大事件だ。

今日もいつものように巡回を済ませ、一休みしていると、

近所の住人から奇妙な通報が合った。

「さっき、仕事の帰りで県道を走ってたんだけど、

閉鎖した工場跡からでかい音がしたから、見てきてくれ。」

しかし、あそこは、確か・・・。

二メートル近い格子門が閉じていて、その上に鉄条網まで張ってある。

今の管理人に事情を話して鍵を空けてもらわないと入る事も出来ない。

今日は、非番で同僚はいない。

必然、自分が行くしかないわけだ。

電話で用件を伝えると、彼は、湯飲みを流しにおいて帽子をかぶった。

管理人の家まで鍵を取りに行かなければならない。

彼は、西に傾き始めた日を横目に自転車のペダルを漕ぎ出した。

「ごめん下さい。下山です。鍵をお借りしに来ました」

立派な旧家の土間に彼の声が響く。

「ああ、どうも。下山さん。話は主人に聞いてます。

どうぞ、コレお持ちになって下さい。」

「あれ、ご主人は?」

「ああ、また、凝りもしないでパチンコに出掛けましたわ。

全く、しょうがない人で・・・。」

「あ、イエ・・・。それじゃ、本官は、これで失礼します。」

「あら、お茶でもいかが?」

「いえ、ボヤボヤしてると日が暮れてしまいますから・・・。」

全く、長閑というか呑気というか、この村の住人は・・・。

彼は、苦笑を浮かべながら、交番へ戻った。

県道の工場跡までは、さすがに車でないとキツイ。

逆に、鍵を借りるには、車だと遠回りになる。

困った交通事情だ。

だが、区画整備に発破を掛ける住人もいないのでそのままだ。

彼は、車に乗り込み、通報のあった現場へ向かった・・・。

 

−交錯−

 二人は、一旦、工場の地下へ降り、一本の廊下に区切られた部屋の一番奥の部屋に入った。

どうやら、仮眠室か何かだったのだろうか、この男が、身を隠していられるだけの

状況は整えられていた。

黒服の男は、旅行カバンとアタッシュケースを手に取り、

少し思案した後、アタッシュケース少年に手渡した。

彼は、男の行動に、一瞬、身を強ばらせたが、解せないといった顔をした。

「何ボーっとしてんだよ。ホラ、こいつを持ってくれよ。

俺も両手塞がると、ちょっと歩きにくいからな。」

「あ・・・うん。・・・ねえ、これは?」

少年は、万が一にも男を刺激するような言動は避けたかったが、

好奇心が、口を開かせていた。

男は、やや眉間に皺を寄せたもののすぐに険を解いた。

「タカヒロ、知りたいか?・・・本物だよ。そう、本物の銃だよ。・・・開けてみな。」

少年は、恐る恐るケースを開いた。

中には、40センチ程の銃、恐らく銃身を切りつめカスタマイズされたショットガンと

小型のオートマチック拳銃が入っている。

これもどうやら改造品のようだ。

それと、それぞれの弾薬が何発か入った箱がある。

「どうだ、スゲエだろ、タカヒロ?初めて見たろ。

安心しな。オートは、ロック掛けてあるし、ショットガンは、空だ。

それから、俺の懐に一つ。」

そう言って、上着を捲ると、ホルダーが見える。

少年は、ゴクリと生唾を飲んだ。

正直、怖いとも思うし、好奇心のフリで、手に取るのも男に疑われかねない。

言葉を失ったまま、少年は、ケースを閉じた。

「さ、行くぜ。車までは、ちょっと歩くからな。」

男に促され、二人は、部屋を後にした・・・。

 二人が、工場を出て、山道脇の獣道へ入ろうとした時、

にわかに声がした。

「動くな!!」

二人は、ギクリとして声の方へ視線を向けた。

岩陰から飛び出した男は、銃を構えていた。

その姿は、濃紺の服に身を包み、同色の帽子、無数の装備品を持つ男・・・。

警官だ。

だが、彼の声が、やや上づったものであった事を黒服の男は、感じ取っていた。

「・・・貴様、信金強奪の葉山だな。・・・もう一人、篠倉は、どうした?」

警官は、早鐘の如く打つ鼓動を堪えながら問う。

男は、一応、両手を挙げているものの表情は、余裕の笑みを浮かべている

「・・・殺したよ。ちょいと邪魔になってな。しかも、ついさっきだ。」

「なんだと!!・・・もういい、後は、署に来てから聞かせてもらおう。

それから、子供を離せ!・・・さ、君。今の内にこっちへ来るんだ。」

だが、少年は、動こうとしない。

アタッシュケースを大事そうに抱え、怯えた目で二人を交互に見ている。

男は、少年をチラリと見てから、小さく笑う。

「ククク、無駄だな。・・・コイツは、俺の新しい大事な相棒だ。

渡せねえな。それに、テメエ、勘違いしてるぜ。」

「何!?」

「そう、タカヒロは・・・。」

「言わないで・・・。」

少年は、低くくぐもった声で言った。

ここで、あの事を口にされたら、自分は本当に戻れない。

少年は、極度の興奮状態に瞳を血走らせ、

男の死角にケースのロックに手を忍ばせていた・・・。

「ん・・・ああ、分かったよ。それより、目の前のハエをどうにかしねえとな・・・。」

「無駄な抵抗は止めろ!おとなしく投降するんだ。」

「ほう、俺様に指図するのか?そんな及び腰じゃ、チャカは、扱えねえぜ。

手本を見せてやる。」

男は、警官の警告を無視して動いた。

その挙動は、洗練されていて生半可な者では、到底対応出来ない。

刹那!銃声が響き渡った!

警官は、糸の切れた人形のように倒れた。

男は、平然と銃を納めたが、急に膝を落とすと腕を抑えた。

少年は、耳鳴りの余韻に顔を歪めながら、ゆっくり動いた。

頭の中で、どす黒いものが渦を巻いている・・・。

もはや虫の息の警官を一瞥し、うずくまる男の方へ歩き出した。

「・・・大丈夫?」

「・・・くぅっ!・・・あ、ああ、なんとか・・・ただ、このままじゃ・・・。」

「・・・そう、それは良かった。」

「・・・タカヒロ?」

男は、不意に違和感を感じて、視線を上げた。

それが、災いし少年の振り下ろしたドライバーは、男の顔に突き刺さる。

「グワアァァァ!!」

男は、顔を抑えてのたうち回った!少年は、ドライバーを放り投げ、

アタッシュケースを必死に懐を探る男に投げつけた。

「・・・ゴメンよ、僕には、もう、こうするしかなかったんだ。」

少年の手には、オートマチックが、握られている。

その銃口は、男の頭に向いている・・・。

男には、片目を失い、流血に阻まれそれを見取る事出来ない。

だが、その事を男は直感していた。

「グウゥゥゥ!タカヒロ・・・テメエッ!」

「さよなら・・・。」

少年は、虚ろな瞳でセイフティを外し、トリガーに力を込めた・・・。

再び、銃声が、木霊した・・・。

 

−殺意の行方−

 それから、再び静寂が、辺りを包む。

少年は、頭部を打ち抜かれた惨たらしい屍を目の前にし、

最初の同級生の屍が思い浮かんだ・・・。

十メートルほど離れた所には、警官が倒れている。

即死だったかもしれないし、まだ生きているかもしれない。

でも、もうどの道、助からないだろう。

僕は、助けて上げられない。助けてもらえない・・・。

そうなんだよね。

「・・・皆、ゴメンね。僕、こんな事するつもりじゃなかったんだよ。

本当にゴメンよ。・・・オジサン、僕の事、相棒って呼んでたね。

もしかしたら本当に仲間って思ってくれてたの?

でも、もう、遅いよね・・・。もう、皆、手後れだよね・・・。」

・・・!!!

三度、銃声が木霊した。

少年は、葉山という強盗と同じく、頭を打ち抜いた。

ただ、異なるのは、自らの頭だという事・・・。

 それから、およそ40分後、度重なる銃声に通報が合ったのか警察が、現地に駆けつけた。

発見されたのは、三人の遺体。拳銃二丁にショットガン、

それに現金3000万。もう一つ、血痕のあるドライバーだ。

当初、見解は、犯人が、二人を撃ち殺したと見たが、それは、すぐに覆された。

少年の手に銃が握られていたのだから・・・。

その後、解せないままの捜査結果が出たそうだ・・・。


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